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外資系金融、英文CVの傾向と対策

外資系金融、英文CVの傾向と対策
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ヘッドハンターという仕事柄、毎日多くの英文CV・履歴書に接しています。金融を専門にしていますが、業種そして部門により特定の傾向があります。傾向と対策にもとずく、効果的な英文CVの作成が書類選考突破の鍵です。

優秀な実績をお待ちでも、いかにその実績を英文CVで表現できるかが最も重要です。毎日CV、英文履歴書に目を通す中で、気づいた点をアドバイスさせて頂きます。  

外資系金融向け、英文CVの書き方

外資系金融への応募者数は非常に多く、大変な激戦区。   
毎日多くのCVが各社、各部門に送られますが、少数の人事部採用担当者、もしくは現場の担当者が書類選考を行うのが実情。  
一説によると、ひとつのCVをスクリーンする時間は僅か30秒とも言われています。  
いかに担当者にCVを短い時間に注目させるか、が鍵となります。

簡潔な表現を心がける  
できれば1ページ、長くても2ページに英文CVをまとめる。  
勤務先会社の業種、設立年度、従業員数、会社概要の説明は原則としていりません。  
金融業界は狭い業界ですので、説明不要のケースがほとんど。

標準的な英文CVのフォーマットを用いる  
外資系金融に限らず認知されている、英文CVのフォーマットを使用。  
和文の履歴書、そして職務経歴書と書き方が異なります。  
履歴書では;個人の連絡先、生年月日、学歴、職歴及び資格などを古い順に箇条書きに記載。  
職務経歴書では、勤務先における職務内容の詳細が古い順に文章で記載。  
一方で、英文CVは和文の履歴書と職務経歴書をひとつにまとめた形式となっています。又、記載をする順番が異なります。

英文CVの記載事項で望ましい順番

  1. 本人の名前
  2. 自宅住所
  3. 自宅Eメールアドレス及び個人の携帯番号
  4. 学歴
  5. 勤務経験のある会社を現在勤務先を一番最初、以下新しい順で

その他個人情報に関して:

  • 業務に関連する資格、趣味、スポーツ他競技における実績、家族構成(必須ではない)など記載は最後に。
  • 資格例:公認会計士、弁護士、一種外務員資格、証券アナリスト、TOEIC / TOEFLの点数など。
  • スポーツ他競技における実績例:国体、数学オリンピック、ピアノコンテスト、演劇など。 

その他の留意事項  
更にいくつか、書類選考を通る英文CVを作成する上でのアドバイスがあります。

1. 連絡先は個人へ

  • 英文CVの連絡先Eメールアドレスは会社メールアドレスでなく、自宅Eメールアドレスで
  • 会社電話番号ではなく、個人の携帯電話番号を記載
  • ※転職活動の基本は現在の勤務先に内密に進めることです。くれぐれもご注意のほどを

2. 客観的に判断できる実績を中心に記述

  • エクイティセールスであればカバーしている金融法人(事業法人)、セールスクレジットなど
  • エクイティリサーチであれば、カバーしているセクター、アナリストランキングなど
  • 専門分野の中で、客観的にアピールできる点を中心に記述

職務経歴が長い方へのアドバイス  
勤務経験が10年以上あり、多岐にわたる業務経験を保有されるケース。  
このケースでは、英文CV冒頭に個人の経験概要( Summary ) を記述するのが効果的。

経験概要( Summary )  の例:

Yoshiki Kumazawa joined Morgan McKinley in 2004.  
And since then he has won a number of senior retained mandates from global investment banks, covering global markets and investment banking areas and has built up an impressive business network in Tokyo.    
Tokyo-based firm BizReach Inc. named Yoshiki Kumazawa the most valuable player in the banking industry, based on a survey of 500 human resource managers in Japan in 2010.

ポジション別の傾向と対策

外資系金融といってもプライベートエクイティ、ヘッジファンド、投資銀行、銀行といった業種により求められる英文CVは異なります。  
又、投資銀行のなかでもIBD、セールス&トレーディング、リサーチなど職種ごとに要求される書き方があります。  
英文CV作成に際して、ポジション別の傾向と対策を練ることが書類選考突破の鍵。  
以下をご参照ください。

プライベートエクイティー  
外資系投資銀行もしくは外資系戦略コンサルタント出身者が、次のステップとして参画する業界ですが、これまでの業務経験に関して、詳細な記述が求められるケースが多い。  
これまでに経験したディール(プロジェクト)の概要、及び個人として果たした役割。  
M&A経験者は英文CVに加えて、ディールレコードを別途求められるケースもあります。

ヘッジファンド  
IBD出身者、エクイティリサーチ出身者が次のステップとして参画する業界ですが、これまでの業務経験に関して、特に詳細な記述が求められるケースは稀です。  
但し、ロングオンリーアセットマネジメントもしくはヘッジファンド出身者は異なります。  
運用手法及び運用成績に関して、簡潔かつ明確なデータをCVに記載する必要有。

外資系投資銀行の投資銀行部門(IBD)  
商業銀行、コンサルティングなどから参画するジュニア候補者は、比較的詳細な業務経験の記載は求められません。  
投資銀行部門(IBD) 出身者は、これまでに経験したディールの概要、及び個人として果たした役割を記載する必要有。  
出身分野に関わらずCV上の文章の書き方やレイアウトが重視される傾向がある。  
箇条書きではなく、文章にまとめる必要有。

外資系投資銀行のセールス&トレーディング部門  
個人の業績(P/L)が明確に出る職種であり、キャリアで最重要視されるのは「いくら数字が作れるか」に尽きます。    
よってCVのハイライトはトレーディング収益もしくはセールスクレジット。  
他必要記載事項は担当している金融商品の種類、セールスであれば担当しているクライアントの種類。  
簡潔さが重要。

外資系投資銀行のエクイティリサーチ部門    
商業銀行、コンサルティングなどから参画するジュニア候補者は、比較的詳細な業務経験の記載は求められません。  
エクイティリサーチ 出身者は、これまでに経験したセクター及び企業の概要、及び個人として果たした役割を記載する必要有。  
個人の名前で執筆したレポートの有無、分析手法、使用しているソフトウエアなどの情報も記載することがプラス。  
エクイティアナリストランキングに入った場合は、順位及び受賞年度もCVにあると有利。

外資系銀行  
担当業務によって、傾向と対策が異なります。  
プロジェクトファイナンス、証券化などストラクチャードファイナンスビジネスでは、業務経験の詳細な記述が必要。   
支店業務出身者は、比較的詳細な業務経験の記載は求められません。    
FXセールスなどマーケット関連は個人の業績、担当金融商品の種類、セールスであれば担当しているクライアントの種類を簡潔に。


最後に

繰り返しになりますが、外資系金融の募集は一般的に競争率が非常に高くなっています。  
外資系金融各社は少数精鋭で運営されており、現場責任者がCVをスクリーニングするケースが多く見受けられます。  
当方は債券セールス&トレーディング業務を担当していますが、新規ポジションが出てきますと、応募者数がそれぞれのポジションで10名以上になるケースがざら。  
多忙な現場責任者が読みやすい、要点がまとまったCVが理想。

ご参考にして頂ければ幸いです。また、英文CV,履歴書作成に関し、ご質問などがございましたらお気軽にお問い合わせください。

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